夢を叶えた人の生涯がグーグルカレンダーでシェアされたら面白いのに

皆さんはグーグルカレンダーを使っていますでしょうか。

グーグルカレンダーは、グーグルが提供するスケジュール管理ができるアプリです。予定を入力しておくとスマホに通知が来るので、備忘録にもなります。僕はさらにスマートウォッチを連携させて、手元に通知が来るようにしてスケジュールを管理しています。

さて、僕がグーグルカレンダーを使っていてふと思ったことがあります。それは、「偉人の一生がグーグルカレンダーで公開されたら面白いのになー」ということです。どういうことか、少し説明していきます。

数分単位でスケジュールを管理する人もいる

さて、多くの人がスケジュール帳を使う時は、大抵「午後〇時に誰だれと待ち合わせ」といった具合にざっくりと予定を書き込むと思います。ですが、世の中には下のような「予定」というよりも「自身の行動をかなり細かく詳細に書き込む」人もいるのです。

  • 8ː00~8ː10 起床
  • 8ː10~8ː13 顔を洗う
  • 8ː13~8ː17 着替える
  • 8ː20~8ː35 家を出て駅に向かう
  • 8ː37~9ː45 8ː37発の電車に乗って新宿駅に向かう
  • 9ː45~10ː50 待ち合わせの時間まで紀伊国屋新宿本店で立ち読みする
  • 11ː00~ 友人との約束

……といった具合です。

ここまでやると人によっては病的だと思われるかもしれませんが、実は僕は一時期グーグルカレンダーでこのレベルで時間の管理を行っていたことがあります。実際にこれほど詳細にスケジュールを組んでいた時は、全てが予定通りとはいかなくとも、かなり有意義に時間を使うことができていました。

さて、当時僕が組んでいた詳細スケジュールを見たいという人はいないと思いますが、これが、何らかの分野で著名な功績を残したプロの物だったらどうでしょうか。

プロフェッショナルは一流になるまでどんな生活をしていたのか

例えばサッカー日本代表本田圭佑選手。元イタリアの名門ACミランに所属していて、日本人としてはかなりの成功を収めたサッカー選手です(現役選手なのにまるで引退済みのような書き方は失礼ですが)。

彼はサッカーでこれだけの成功を収めるため、どれほどの練習の日々を送っていたのでしょうか。恐らく学生時代のほとんどをサッカーに情熱を注いでいたことは間違いないでしょうが、その詳細スケジュールを知っている人はほとんどいないでしょう。

つまり、何歳の何月の何日の何時に、どんな練習をどれくらの時間行ったのかということは彼の指導者以外の人間には謎に包まれています。もし、これがグーグルカレンダーにびっしりと記録されていて、それが誰でも閲覧することができたら、サッカー選手を目指す少年たちにとって多いに役に立つのではないでしょうか。

  • 5ː00 起床
  • 5ː30~5ː45 朝練の準備、ランニング
  • 5ː50~6ː30 ドリブル練習
  • 6ː30~7ː00 シュート練習
  • 7ː00~7ː45 ミニゲーム
  • 8ː00~15ː30 授業
  • 15ː30~16ː00 筋力トレーニング
  • 16ː00~16ː30 瞬発力トレーニング
  • 16ː30~17ː30 持久走
  • 17ː30~18ː00 クールダウン
  • 18ː00~18ː30 後片付け

僕はサッカー選手を目指していた訳ではないので、上で書いた練習メニューはかなりテキトーですが、仮に本田選手が実際に行っていた練習スケジュールが小学校、中学校、高校、プロ入り後とそれぞれの段階で分けて詳細に記録が残っていたら……。

変態的と言われるかもしれませんが、僕はワクワクせずにはいられません。

プロフェッショナルの生涯カレンダーが何の役に立つのか

さて、こういったプロフェッショナルの生涯が詳細に記録されたグーグルカレンダーが残っていたらどんな恩恵があるでしょうか。まず、その道に進もうとしている子供たちの大きな指針になるでしょう。

本田選手と同じ練習をそのままそっくり真似たからと言って、誰でも本田選手ほどのサッカープレイヤーになれる訳ではありませんが、闇雲に練習するよりは遥かに有益なはずです。

さらに、その道に進もうとしている子供に対して、親が子供の覚悟を確認する指標にもなりえるでしょう。例えばアイドルを目指すから高校を中退する! と突然言い出した子供に対して、「嵐」や「AKB48」の下済み時代のグーグルカレンダーを見せてこう言うのです。

「あなたには過酷なレッスンにこれだけの時間身を捧げる覚悟がある? もしあるというのなら、高校は1ヵ月間休学して良いからその間彼らと同じレッスンを同じ時間だけやりなさい。お金は出すから」

恐らく実際にこれをやったら、レッスンを1ヵ月間やり通すことができる子供はほとんどいないでしょう。だからこそ「嵐」や「AKB48」は特別なのです。仮にやり通すことができたら、それはそれで「実際にプロになった人の下済み時代と同じ量のレッスンに耐えられる」という一応の見込みがあることが確認できます(だからと言ってプロになれるかは話が別だと思いますが)。

カレンダーはさらに洗練されていく

さて、仮に様々な分野のプロフェッショナルのグーグルカレンダーが本当にシェアされる世界が来たとして、その先はどうなっていくでしょうか。完全なる僕の妄想ですが、有効なグーグルカレンダーが後進の人々によってさらに洗練されていくと思います。

例えば本田選手のグーグルカレンダーに従って練習した子供たちの中からプロのサッカー選手が出てきたとします。恐らくその子供は、本田選手のグーグルカレンダーを参考にしながらも自分流にアレンジしてきたはずです(人間は機械ではないのだから、誰かの人生をそのまま完璧になぞるなんてことは心が耐えられるはずがありません)。

そうすると、プロになった彼のグーグルカレンダーがさらにシェアされます。そのカレンダーは、本田選手の練習スケジュールを参考にしてさらに洗練されたものです。そうして代を重ねるごとに色々な分野のプロフェッショナルのカレンダーはどんどん洗練されていき、いつかプロを目指すための人生のパッケージとも言うべきものにまでなるかもしれません。

まとめ

人の一生を、誰かのカレンダーを当てはめて管理するなんて嫌悪感を感じる方もいるかもしれません。また、もしかすると自分の子供をプロにしようとした親が、その道のプロのカレンダーを無理やり子供に押し付けてつぶしてしまうようなことも起こりうるかもしれません。

ですが、僕は人の人生には指針が必要だと思うのです。先人の生涯カレンダーがその指針として役立つのであれば、それは素晴らしいことだと思います。それに、いくら誰かの一生を真似しようと思っても完コピできる人なんている訳がなく、そこには必ずその人の個性が反映されていきます。

先人の蓄えた知恵を参考にしてさらに大きな知恵を獲得するといのは、あらゆる研究分野で行われてきたことです。それが人の一生に当てはめられて、よりよい人生を歩めるようになったら……そんな未来を僕は夢見ています。