スマブラは「アピール」があるから面白いんだろうが

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ついに「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」の発売まで一ヵ月を切りましたね。第一作からのファンとしては、発売日の12月7日が待ちきれない思いです。

ところで皆さんはスマブラの「アピール」についてどう考えていますか。

  • 「ゲームの開発側が用意した機能なのだから、全然使って問題ない」

という意見もあれば

  • 「無礼千万! 断じて許すまじ」

という意見もあります。

僕としては断然アピール肯定派です。

肯定派というよりも、スマブラの面白さの9割はアピールにある、とさえ思っています。今回はその理由について語ります。

そもそもアピールとは何か

アピールとは、コントローラーで特定の入力を行うと、スマブラのファイターがそれぞれ独自のポーズをとることを指します。そのほとんどは相手に対してダメージなどの影響を与えません(稀にルイージのような、崖につかまっている相手に対してメテオ効果を持つアピールもあります)。

対人戦においてアピールが主に使われる場面は、相手を撃墜したことに対する誇示や、相手を挑発することにあります。また、一人用のモードでアピールをするとボーナス得点がもらえる、などがあります。

なぜアピールが毛嫌いされるか

アピールが毛嫌いされる理由は、それが相手を「煽る」動きだからです。つまり、ネット対戦中に相手に撃墜され、そのどこの誰とも知らない相手から

「弱ぇんだよバーカwww」

と言われるようなものです。

さらに、特定のファイターのアピールの動きには、相手をイラつかせるために設計されたとしか思えない「煽り性能」がかなり高いものもあります(ドンキーコングルイージソニック、プリン、その他多数)。特にドンキーコングのアピールの煽り性能の高さはスマブラーの間でも殿堂入りに指定されるほどで、「ゴリアピ」なる個別名称までつけられているほどです。

相手に撃墜、または敗北して悔しい思いをしているところにアピールをされたら、思わずコントローラーを壁に向かってぶん投げたくなります。僕は実際に3DSスマブラで相手に煽りに煽られて敗北した際、相手の最後のアピールを見た次の瞬間、3DSの画面を殴りつけてぶっ壊してしまった苦い思い出があります。泣きっ面にハチとはまさにこのことです。

さて、ここまで読んでくれたあなたは、アピールは良くないものだと思ったかもしれません。ですが僕は冒頭でも書いた通り、アピールを肯定しています。ここからその理由を書いていきます。

ゲームはむきになってやるから面白い

  • 「たかがゲームでむきになるなよ」

という言葉に対する有名な切り返しとして

  • 「ゲームはむきになってやるから面白いんだろ」

という言葉があります。

僕は最初にこの言葉を聞いた時、まさにその通り! と思いました。

何の感情も込めず、負けても一切のくやしさを感じないゲームなんて、やる意味があるのでしょうか。結局ゲームに一切の興味がない人が、何も考えずに放った言葉が「たかがゲームでむきになるなよ」なのでしょう。

ワールドカップで自国が負けて発狂するかのように泣き叫ぶ外国のサポーターに対して、サッカーに興味のない人が「なんだあれ、アホらしw」というようなものです。相手の立場になって物事を考える「想像力」が欠如しているのでしょう。

さて、スマブラにおけるアピールとは、まさに人を「むきに」させるものです。撃墜された上に相手に煽られたら悔しいことこの上ないでしょう。だから「次は絶対に負けない」と心に誓うのです。

アピールしてきた相手に逆転勝ちしたら脳汁ドバドバ

1ストック落とされた後に相手にアピールされたら、まずあなたはどう感じますか? 僕は「絶ッッッッッッッ対に逆転勝ちしてやる」です。

そう、アピールがスマブラに存在することの神髄は、その相手に逆転勝ちすることにあります。

※相手の最後のストックを落として勝利が確定する直前にのみアピールする、クソチキンアピーラーのことは置いておきます。

自分が圧倒的に不利な状況に加え、相手にアピールで煽りに煽られている悔しさ。この状態から逆転勝ちを収めたら、脳内にドーパミンがドバドバあふれ出します。その快感といったら筆舌に尽くし難いものです。

スマブラというゲームは実に逆転が起こりやすいのです。その理由は、このゲームが相手をステージ外に追いやることで勝利するというシステムにあります。例えばこれが体力性のゲームで、相手に攻撃することで体力ゲージが減っていくタイプのゲームであれば、残り体力に差がついた時点で逆転は厳しいものとなるでしょう。

ですが、スマブラはたとえほとんど攻撃を食らっていなくても、画面外に落ちてしまったらそれで1ストック失うことになります。それはつまり、どれだけ攻めていても、ほんの些細なミスが命取りになるということです。

実際に僕はいわゆる「煽り厨」のアピール攻勢を受けながら、圧倒的不利の状態で逆転勝利したことが何度もあります。その瞬間、僕は自分の脳内で報酬系がガンガン刺激され、それを受けてドーパミンが温泉の水脈を掘り当てたがごとく凄まじい勢いで噴出した感触を実際に感じた気さえしました。

アピールは戦う漢たちの熱い駆け引き

アピールは諸刃の剣です。

相手をイラつかせたり、自分の嗜虐心を満たせる一方で、万が一逆転負けした時に反動で受ける屈辱は通常の敗北と比べて何百倍にもなります。

上で説明した「アピールしてきた相手に逆転勝ち」というのは、アピールした側から見れば「アピールしたクセに負けた」という羞恥の感情を伴った不名誉極まりない敗北と相成ります。

つまりです。

スマブラで「アピール」をかましたその瞬間から、そのバトルはただのバトルではなくなる訳です。

アピールをかました側は、アピールしたからには負ける訳にはいきません。絶対に負ける訳にはいかないのです。

アピールされた側も、名誉にかけて絶対に逆転勝ちを収めなければなりません。アピールされたまま負けるなど、沽券に関わります。

アピール。それは漢の意地とプライドをかけた一世一代の大勝負、その引き金の象徴です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

以上の理由により、「アピール」の無いスマブラなど、緊張感も駆け引きも屈辱も何もない有象無象の格闘ゲーの一つに成り下がる訳です。

これが僕がアピールを肯定する理由です。

さぁ、もう一ヵ月もしないうちに新作スマブラの戦いの火ぶたが切って落とされます。武者震いしながらその時を待ちたいと思います。

あ、ちなみに自分のデスクの上にモニターを置いて手軽に大画面でスマブラを楽しみたい人は、下の記事を参考にしてみてください。

www.suteneko3000.com

※この記事で「漢たちの」という表現を使いましたが、女性にもスマブラ―が数多くいることは承知しています。差別的意味合いはなく、ただ文章の勢いを考慮した結果こういう表現を使いました。悪しからずご了承ください。