これで文章がスラスラ書ける! 「素材」から構成する文章術を解説!

人生において文章を書かなければならない場面には多々直面します。

学生時代であれば作文、小論文、課題レポート……。社会人はビジネスメール、企画書、報告書……。

しかしながら文章を簡単にスラスラ書ける人というのはごく稀。パソコンや原稿用紙の前で数時間うんうん唸ってようやく書ききるという人が大半でしょう。

今回はそんな人向けに文章がスラスラ書ける文章術を紹介します。

なお、この文章術は僕のオリジナルではなく「10倍速く書ける 超スピード文章術」という本に書かれていた内容を元にしています。そして本の中でも根幹である「実際に文章を構成して書く」パートのみにフォーカスしています。

この本には他にも「読者を想定する」「文章を書く目的を設定する」などの文章を書く上で決めておく必要のあるテーマについて詳しく解説しているので、包括的な文章術を会得したい人は本を読んでみてください。

10倍速く書ける 超スピード文章術

10倍速く書ける 超スピード文章術

 

ちなみに2018年以降のこのブログの記事は、今回紹介する文章術の手法を用いて書いています(この記事も含む)。よろしければ参考にしてください。

具体的なやり方

頭から文章を書こうとしない

多くの人がやりがちな失敗が、文章を頭から書き始めることです。文才がある人であれば、このやり方でもなんとか最後まで辻褄を合わせてしまうことができる人もいます。

しかしほとんどの人が文章の途中で行き詰ったり、何を伝えたいのか分からなくなってしまうことになります。

ではどうすれば良いか。

それは、文章を書き始める前に「素材」を集めるのです。

文章を構成する「素材」を集める

「素材」とは、簡単にいうと文章を構成する一つ一つのアイディアです。

例えばあなたが「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」について紹介する文章を書くとします。あなたが最初にするべきことは、あなたが「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」について知っていることを書き出してみることです。

  • 発売日は2017年3月3日
  • ニンテンドースイッチのローンチソフトの中の一本である
  • BGMはピアノを中心に、自然の環境音を組み合わせて構成されている
  • 地形の隅々まで行けるという「オープンワールド」の世界観がプレイヤーに好評
  • ゲーム発売後にDLCダウンロードコンテンツ)「試練の覇者」と「英傑たちの詩」がリリースされた。
  • 開発時には「小人」の住む村というアイディアがあったが、最終的に没となった
  • 開発陣が一番苦労したキャラクターは「ゼルダ
  • 「馬」のリアルな動きを再現するため、動物専門のプログラマーとデザイナーが存在した
  • 「これまでのゼルダを見直す」というコンセプトの元、開発が行われた
  • ゲーム評論家からも大絶賛で軒並み高得点の評価を獲得
  • ニンテンドースイッチのゲームの中で、ユーザーのプレイ時間の長さが一番長い
  • 任天堂の青沼氏によると、「ブレスオブザワイルド」の次回作の開発は既に始まっている

この時、論の順番や最終的にアイディアとして採用できるかどうかなどという余計なことは考えず、ひたすら頭に浮かんだアイディアを書き出していきます。素材の選定は後からで大丈夫なのです。

もちろん、あなたが既に知っていることだけでなく、調べたこともどんどん素材として投入してきましょう。

素材を集めたらグルーピングする

素材を出し切ったと思ったら、出した素材をテーマごとにグルーピングします。

例えば上で挙げた素材をグルーピングすると以下のようになります

☆ソフトについての情報

☆ゲームについてのトリビア

  • 開発時には「小人」の住む村というアイディアがあったが、最終的に没となった
  • 開発陣が一番苦労したキャラクターは「ゼルダ
  • 「馬」のリアルな動きを再現するため、動物専門のプログラマーとデザイナーが存在した

☆プレイヤーの評価

  • 地形の隅々まで行けるという「オープンワールド」の世界観がプレイヤーに好評
  • ゲーム評論家からも大絶賛で軒並み最高評価を獲得
  • ニンテンドースイッチのゲームの中で、ユーザーのプレイ時間の長さが一番長い

☆その後の展開

  • ゲーム発売後にDLCダウンロードコンテンツ)「試練の覇者」と「英傑たちの詩」がリリースされた。
  • 任天堂の青沼氏によると、「ブレスオブザワイルド」の次回作の開発は既に始まっている

※一部グルーピングされていない素材もありますが、グルーピングできない素材はとりあえず「その他」でまとめておくと良いでしょう。

グルーピングした素材を並び替えて文章の構成を作る

素材のグルーピングが終わったら、読みやすいように素材のグループを並び替えます。

上で挙げた例であれば、以下のような順番が良いでしょう。

1. まず「ソフトの情報」を書いて読者に前提情報を与える

2. 次に「プレイヤーの評価」を書いてゲームの人気度について語る

3. 続いて「ゲームについてのトリビア」を書いて読者の興味をさらに引き寄せる

4. 最後に「その後の展開」を書いて今後の広がりを想像させる

素材の順番が決まったら、文章を打ち込む

素材が決まり、構成も決まったらほとんど文章は完成したも同然です。

後は、書き出した素材を決めた順番通りに文章に落とし込んでいくだけです。すでに「何を」「どの順番で」書くかが決まっているので、途中で立ち止まる心配もほぼありません。

なぜこのような七面倒くさい方法で文章を書くのか

さて、ここまで読んでいただいて正直「面倒臭そう」と思った人も多いのではないでしょうか。ですが、何も構成を決めないまま頭から文章を書くのと比べたら、こういった手順を踏んだ方が結果的にかける時間が短くて済みます。

途中まで書いて没になると致命的な時間のロス

例えばあなたが文章の素材など書き出さずに、頭から文章を書き始めたとします。途中までは順調に進んでいたものの、途中でアイディアが尽きて立ち止まってしまいました。数十分悩んでも文章の続きが思い浮かばず、ついにはその文章は全て没になってしまいました。

なんともありがちなパターンですが、この例では文章を書いていた時間と、途中で行き詰って文章の続きを考えていた時間がすべて無駄になってしまいます。おまけに頭も疲労するので、何とも生産性の無い時間だったと言えます。

その点、最初に素材をすべて書き出して順番も決定した上で書き始めれば、最後まで何を書くかが決まっているので、その文章が没になることはほぼありえません。また、素材自体が十分に書き出せない場合は、ネットや資料を当たって素材を増やすか、もっと素材が出やすいテーマに変更するかなどの対応ができます。

いずれにせよ、文章を書き始めてから全没になる可能性を無くせるのです。

慣れてくると素材の数で文章の長さが想定できる

例えばあなたが1,000文字以上1,500文字以下の文章を書かなければならないとします。

頭から文章を書いていく手法では、決められた文字数内で文章を構成するのは至難の業です。

しかし素材を書き出してから文章を書くスタイルに慣れてくると、「どれくらいの素材があればどれくらいの長さの文章になるのか」が分かってきます。これが分かってくると、素材を書き出す段階で決められた文字数に収まるくらいの素材の数で文章を構成することができるようになります。

これができるようになると、文章の途中で残り文字数が少なくなってきたので急に無理な結論に至るなどの悲劇を回避することができ、大変有効です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

筋道立てて文章を書くという行為は、機械にとって代わられない人間だからこそできる行為の一つです。一時期、人工知能が書いた小説が新人賞の一次選考を突破するといったニュースが話題になっていましたが、これは人間が人口知能にあらかじめある程度のテーマを与えていたというのが実態です。つまり人間が「素材」を与えていたのです。

文章を書くことはゼロから1を生み出す行為であり、それは永遠に機械には成しえないことだと僕は思います。

これからテクノロジーが発達して、人間の仕事がどんどん機械に奪われていったとしても、優れた文章を書くことができる人は決して仕事を失うことはないでしょう。

最初でも述べたように、今回僕が紹介した文章術は「10倍速く書ける 超スピード文章術」にさらに詳しく書いてありますので、読んでみてください。

 

ちなみに僕は学生時代、文章を書いてお金を得るライターの仕事をしていたことがあります。その時の体験談を下の記事でまとめているので、よかったら見てください。 

www.suteneko3000.com